ブログ 悲観的な料理の本 Gloomy Cook Book

悲しい映画や音楽を楽しむように、料理の悲しさも楽しむことが出来ます。 料理にまつわる悲しさや悲壮感から目をそらし、料理=幸福・至福とばかり語られ、そのような本ばかりが書店に並ぶことに、私は以前よりいささか疑問を感じていました。マンハッタンやパリで起業・成功した人たちが、貧乏時代に通った安食堂にこっそり訪れるのは、その人々の味の嗜好のみならず。侘び寂びは日本固有の趣にあらず。

 

食材が調理されて料理と呼ばれ、皿に盛られる。切り分けられる。口に運ばれ舌に乗る。味蕾(みらい)を伝ったシグナルは、その個人の様々な経験・先入観や感情とリゾームし、一気に脳に駆け上がる。

料理とは味覚とはいったいいかに。 

 

そうだ、悲観的に料理を捕らえて楽しもう。

 

 

食や料理にまつわる話のブログです。


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